コラム3~

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コラム9.後見

後見は、日本舞踊の帯結びの中では最も難しいものと言われています。なかなか形が決まらず、相当な練習を必要とします。

実際に結ばれる方は少ないようで、結び帯が沢山売られています。

角々が、シャープになるように結ぶのがポイントです。

日本舞踊で、後継者となるものが結ぶ帯という格調の高い帯結びだそうで、渡邊が資料調べをしたなかでは、元々黒の留袖(5つ紋がついています。)に結ぶ帯だったようです。・・・これは、ある着付けの学院の資料にのっていたのですが、すみません、学院名を忘れてしまいました。また、意外なことに、昔の任侠映画に出演されていた女優さんが粋に格好良く締めています。
現在では、いろいろな日本舞踊の場面で見られます。また、おしゃれ着物にも結ばれるようです。ユーチューブでは、後見結びをしている動画はほとんど見かけないのですが、土肥喜美子先生という方が振袖の帯結びとしてupされています。リンクを作成してみたのですが、残念ながら動画がでません。
ですので、ユーチューブで「振袖の帯結び 其の八 後見結び」
 制作者 土肥喜美子 で検索してみて下さい。

*その他の資料 
 ・書名    決定版 きものの着付けと帯結び
 ・監修  赤平清泉(日本文化きもの学院)
 ・編   家庭画報
 ・発行 世界文化社 
 ・発行日 2010年9月1日  初版第1刷発行
 ・本体価格2800円+税   
キモサトさんで購入した帯です。

コラム8 七五三

7歳女児
着物は、ポリエステル製でかなりツルツルした綸子風で、歩いていてのずり落ちが心配なので、初め、孫に使用するときは腰上げをしようかと思いました。しかし、その後レッスンに使用することを考慮し腰上げはしないでおはしょりで調節することにしました。注意することは、腰の位置で腰紐をしっかり締めること。

注意事項
1.裾除け等は、ひざ位(ひざよりやや下。)

2.補正は、普通の着物と同じにする。(ウエストと腰のみでよい。)

3.長襦袢
 ・衿は出来るだけ深く合わせ詰めること。
 ・背の上にクリップ
 ・胸紐も腰紐もしない。伊達締めのみ。

4.帯(花寿)
 ・三重仮紐を使う。
 ・子供用の後ろ板、前板。
  後ろ板が無い時は、ボール紙で作る。
 ・子供用の帯枕、帯揚げ扇子、筥迫(はこせこ)
 ・しごき・・・普通2回巻くが長さが足りない時は1回巻く。
  幅は、まず三つ折りにしてから、それを二つ折りにする。長辺                 の中心付近のところどころに小クリップで止めておくと使いやすい。  
 
*帯は大人用と子供用を使い比較してみたが、断然子供用の方が使いやすく、軽いので子供の負担も少ない。

5.結び方の手順・・・ここから先は、中、上級者向きの内容です。
(1)まず、手先の長さを決める。左肩にかけたとき大体先端が、
帯の下線にくるくらい・・・自身でやってみて最適な
長さを決めて下さい。
(2)たれを巻いていくが、一周めが終わり2周目に入ったところで
後ろ板をいれる。2周目で前に来たときに前板を入れしっかり締める。ボディの左下に大クリップを止めゆるまないようにする。
(3)ボディの背面で手先を上に一結びする。しっかりしめる。
(4)手先は箱ひだを作り、右肩に預け三重仮紐で止め前に紐を持っていき縛る。
(5)次にたれを使って、4枚の羽根を作る。
  ① まず、たれの先端を使って2枚の小さい羽根を作る。三つ折りひだで作る。
  ② 右の羽根は、1枚で重ならない。
  ③ 左の小さい羽根は三重仮紐の2番に通す。右の小さい羽根は3番に通す。(*三重仮紐は、ここでは、背中についている方を1番とします。)
  ③ 次に下の大きな羽根2枚を作る。小の羽根と同じ番号の紐に通す。例えば、左の大の羽根は、2番に通す。右の大の羽根は3番の紐に通すということです。
  ④次に、今作った4枚の羽根の上に帯揚げをかけた帯枕を載せます。帯枕の紐を前で縛ります。帯揚げは仮結び。
  ⑤4枚の羽根を持ち上げて帯枕の上に持って行きます。
  ⑥ 帯枕の紐を帯の中にしまいます。右肩に預けていた手先で箱ひだを作り羽根の中央におろす。この時、手先の先端は、15cm位広げて裏が見えるように折り返しておく。この裏側が箱ひだの内側からみえます。帯締めをこの箱ひだを折り返した部分に通してしっかり締める。帯締めは、紅白の場合は赤が左側、白が右側になります。裏が見える部分は、、内側に折り返しておく。
  ⑦ 帯揚げを入り組(いりく)か一文字に結ぶ。

 *体を大きく動かすと帯揚げが、外れ易いので、普通に結ぶ方が安心できますよ。

  ⑧ しごきを帯の下辺に沿って巻き付ける。結びめの位置は、背面の中央より左寄り。
  ⑨帯揚げの上あたりに筥迫を差し込み、飾りが胸元から見えるようにする。
  ⑩ 扇子の紐を骨に巻き付け、帯締めに挟む。

  
  






大人用ボディに大人用の帯で結んだものです。

七五三続き

5歳男児

1.肌着は着物用のものでもよいし、なければ普段着ているものでよい。

2.肩上げした半襦袢または、肩上げをしまた、丈を短く腰上げした長襦袢。衣紋は抜かない。

3.着物を着付ける。背中心を確認。着物の腰上げをしていない場合は、着物の裾を後ろでつまんで腰紐(胸紐)に挟む。着物も肩上げをしておく。

4.帯を「一文字」に結ぶ。
(1)帯を結ぶ前に、袴の着丈を確認。くるぶしが見えるくらいに裾線を決める。この時帯の上端が袴の上端より1cmうえにくるように帯の位置きめをする。
(2)背中心から左に手先を40cmとる。
(3)手先は、よけたまま残りの帯(たれ)を胴に2~3回巻き、帯幅を半分にしてから、手先を上に一結び。
(4)たれを端から幅15cm位のすのこだたみにたたんで羽根を作る。一つ山ひだを作る。
(5)羽根を背中心に置き手先をはねの中央にかぶせる。(手先は縦半分に折っておく。)一つ山ひだを作った羽根に手先を巻き付け付けて右に引き、羽根としっかり結ぶ。

(6)抜いた手先を羽根の下の帯と着物の間に入れ込む。引き抜いた手先を端からたたむ。手先は、帯の中に差し込む。 

5.袴を着付ける。
(1)袴をドーナツ状に広げ、片方ずつ足を入れてはかせる。
(2)袴のたけを合わせ、前紐を後ろに回し、帯結びの上でバッテン状に交差させ前に持ってくる。 
(3)左前、少し下で前紐を交差させ、下の紐を織り上げて後ろに回す。(前紐っと帯はクリップで止めておく。)
(4)後ろに回した前紐は、一文字の帯結びの下でしっかり結ぶ。
帯の羽根を引っ張ってバッテンの交点のわきから出しておく。
(5)袴の後ろの腰板についているへらを帯と着物の間に差し込む。
後紐を前に持ってきて、前紐の下をくぐらせる。次に後紐を交差させる。(前部中央、くぐらせた前紐の下あたりで)


(6)下になった紐を前紐に通し下に引く。この紐をAとする。もう一方の紐をBとする。

(7)Bの紐を端から8~10cmの長さにたたんで横にしてから
Aの紐を真ん中に巻き付ける。

(8)Aの紐をさらに2~3回巻き付け、下に少し引き出す。

(9) 十文字にするために、Aの残りの紐を内側にしまう。(横長の十文字にすると恰好が良い。)


6.小物をつけ、羽織を着せる。
(1)懐剣は帯と帯の間に挟み、扇子はその内側に低めにさす。

(2)お守りは、袴の紐に通し、脇から袴の中にしまう。

(3)羽織を着せたら、羽織紐をつける。羽織紐は先端のs字状の金具を乳(ち)にひっかける。

(4)羽織の衿は、外側に半分に折る。雪駄を履かせて5歳の祝い着の完成。写真撮影には、右手に扇子を持たせることも多い。














コラム7続き 帯結び編

1.ふくら雀(ふくらすずめ)・・・お太鼓系
お嬢様らしく、上品で可愛らしい帯結び。

*渡邊は、大分前に着付け教室の先生に誘われて浜離宮恩賜庭園で催された東京大茶会に参加したことがあります。いろいろな流派の茶道が体験でき、中には高校の茶道部がやっているところもありました。渡邊は、茶道を習っていませんでしたが、茶道経験のない人でも気軽に誰でも参加できるとのことでしたのでご一緒することに致しました。

園内には、着物姿の人もかなり見られましたが、その中でもまだ10代位の若いお嬢さんがこのふくら雀に結んでいた姿が清楚で可愛らしく印象に残っています。

2020年は残念ながら中止されました。2021年は、開催の予定だそうですが・・・。


2.立て矢(立て矢系)
クラシックできりりとした帯結び。羽の大きさを変えればどんな体形の人にも似合う。


この帯結びをした後の前姿の写真をご覧ください。帯揚げは「一文字」という結び方です。すっきりとした仕上がりです。







3.乙女文庫(文庫系)
文庫系のなかでは、華やいだ感じの帯結び。上の羽根2枚は、上向きにし、下の羽根2枚は下向きにすることで立体感がでて、動きのあるように見える。
7歳や13参りの帯結びにもふさわしい。



ふくら雀
立て矢
上記の前姿
乙女文庫

コラム7 振袖帯結び 続き

4.文庫・・・文庫系
文庫は時代劇などでもよく見ることができる。武家の奥方様や娘さんが締めていた。藤沢周平原作の時代劇(映画)をたまにNHKbs放送でやっているが、その映画にでている女性のほぼ全員がこの文庫結びをしていることがあってびっくりしたことがある。

上品で優雅なので、振袖の他にも花嫁衣裳に使われることもある。振袖の場合は、豪華で格調の高い袋帯で結ぶ。また、浴衣などの場合は、半幅帯でよく結ばれる。着付けの初心者はまず、半幅帯から入ると簡単で分かり易い。
  

コラム7 来年の成人式に向けてのレッスン (2022年1月用)

振袖は、ミスの第1礼装。

着物(振袖)の着付け編

1.着付けるものは、順番に重ねておく。小物類も忘れることのないように順番にそばに置いておく。長襦袢には、衿芯を通しておく。補整用タオル5枚は、長襦袢の上にくるように置く。帯も前もって手先を半分に折りたたんでおく。帯は、一番下に。腰ひもは、前もって中央に印しを付けておくか、中央をもって引き抜けるようにしておく。また、着物には、伊達衿をクリップ7個で付けておく。このうち1個は、大クリップで着物の背中心に付けておく。袖だたみをして長襦袢の下にくるように置いておく。

2.ここから先は、着付け用ボデイか、人体(お客さんや相方)、に着付ける。
 
肌着・裾除けの上に補正のタオルを付け腰ひも1本で巻き付ける。

3.長襦袢を着せ付ける。衣紋は、こぶし一つ分。長襦袢の背中心の上にクリップを止めておく。衿合わせは、喉のくぼみより少し上。きちっと合わせる。

4.お客さん(または、相方)に長襦袢の袖のたもとをもってもらう。後ろから着物をそっとかぶせ、袖を通すときに長襦袢のたもとを手からはずしてもらう。長襦袢のクリップの位置と着物の大クリップの位置を合わせ、一つだけのクリップで長襦袢と着物を合わせる。着物のたもとの中に長襦袢のたもとがはいっているか確認。

4.着付け師は、着付ける人やボディの右側に立つ。(これ以下の部分については、
他装で実施した準礼装等の着付けとほぼ同じです。初めの部分だけ詳述します。)裾合わせをする。まず右手で左右の衿先から開いた手幅分のところを合わせ持ち、同時に左手で同じ高さのところの背中心のところをもって、出来るだけ高く持ち上げる。次に、前方に引きながら、ゆっくり床すれすれまでおろす。こうすると背中側に皺が入らないので、紐結びが楽に出来るようになる。

コラム6 昨年末の京王百貨店 今昔きもの市で購入したものを着付けてみました。

2020年12月に購入したものです。振袖の場合は、補正には普通タオル5枚と腰ひも1本を使います。補正の最後はガーゼで巻きます。5枚のタオルがたった1本の紐でしっかりと固定出来ます。

伊達衿の付け方は、一人で着られるコース(応用クラス)で、失敗のない
簡便な付け方を学びます。(この写真では濃いピンクの伊達衿がついています。)

この写真の帯揚げは、入り組(いりく)という結び方が使われています。
振袖や7歳、13歳の帯結びによく使われます。結んだ形が「入り」の字に見えるのでこう呼ばれます。入り組では、上前側の帯揚げを、下前側の帯揚げに重ねるようにして、先端を上前の衿に入れ込みます。(この写真では、絞りの薄い緑色の帯揚げが使われています。) 

帯の締め方は以前紹介した都結びです。とても可憐で可愛らしいので七歳や13歳の帯結びに使用してもいいかもしれません。他の帯結びは、次のコラムで紹介します。


  

 

コラム5 京王百貨店 今昔きもの市で購入した着物を紹介します。(2021.6.29に購入)

時々お世話になっている仙臺屋さんで購入した着物がとても美しかったので写真をお見せしますね。これまで、何枚かこちらで入手したのですが、洋服の上から袖を通してざっと上前合わせ、下前合わせをして大丈夫だろうと買って、帰宅後着付けてみたら、ブカブカで実際には着ることができなかったこともありますし、また、普通に着られるものもありました。(多分後者の場合には、裄や身丈などの情報は記載されていたのでは、と思います。

今回は、着物に付いていた紙に、「裄、身丈、前幅、後幅、袖丈、袖幅」が記載されていました。こんなに詳細にデータが記載されているのは、催し場では初めて見ました。それを見ただけで自分にピッタリだと分かりましたので、持って行ったメジャーは必要ありませんでした。付け下げ訪問着と呼ばれているようです。(正確には、付け下げに分類されます。付け下げの中でも、前の縫い目で模様がつながるなど一部訪問着の性質ももち、他の付け下げより豪華なものをそう呼ぶそうです。)

同じ着物の袖の模様と裾の模様

着物全体の写真では模様がよく分からないのでこちらをご覧ください。まずは、袖の模様です。

次に裾の模様です。

染めの技法の凄さを感じることができますよね。

コラム4 4.半幅帯

半幅帯とは、名古屋帯や袋帯の仕立て上がりの幅が30cm(八寸)なのに対し、仕立て上がりの帯幅がその半分の15cm(四寸)のものをいう。

気軽に着用でき浴衣や木綿等の普段着、小紋や紬等のおしゃれ着に使用される。礼装には使われない。

名古屋帯、袋帯に比べ、結び易く着心地も楽である。

仕立て上がり 帯幅 15cm(四寸)、長さ3m50cm
*中には、より装飾的な帯結びをするために4mのものもある。

写真左は渡邊が最初に京王百貨店の「ますいわや」さんで購入した帯で最も出番の多い半幅帯です。トップページで色々な帯結びを紹介している帯です。
小袋帯(表地と裏地が合わさって袋状になっている。)で、リバーシブルに
使えますが、いつも朝顔模様の方を使用。全くの紺色の裏地の方より、上品に仕上がります。ただ、朝顔模様だと夏しか使えないので模様を選ぶ時は1年中使えるものを選んだ方が良いと思います。

写真右の帯は、麻でざっくりしていて夏にふさわしい小袋帯です。結びじわが出来やすくとれにくい。このカラシ色がとても素敵で私の持っている浴衣(ベージュの地に青色で総柄的に植物が描かれている)にはとても合います。これも両面使えますが黒の方は、なかなかしっくりいかないので、カラシ色の方しか使いません。この帯も左の朝顔模様の帯と一緒に「ますいわや」さんで購入したものです。

*トップページのコラム1(「半幅帯って楽しい」の欄に半幅帯の具体的な
使用例を写真付きで紹介していますので、是非そちらもご覧ください。









続き

博多の小袋帯と厚手の鳳凰柄の小袋帯

次の2本は通っていた教室で購入したものです。

左の方は、博多の半幅帯で小袋帯になっていて両面使えます。ちょっと

合わせるのが難しいけれど、夏場に1回位は、使おうと思っています。
右の方は、厚手のしっかりした小袋帯で表面は白地に金色の鳳凰の図柄があり、裏は白一色となっています。どうしてか、持っている浴衣に合わないのです。模様からしてもおしゃれ着等に結んでみると良いかもしれません。

半幅の単(ひとえ)の帯

写真のピンクの半幅帯は単(ひとえ)で薄いです。普通浴衣にしか使われません。(おしゃれ着には、使用しません。)渡邊は、女性用の袴のレッスンの時に着物の帯として使っています。

コラム4. 3.夏帯

夏の帯は、通常の帯と素材や織り方が異なることが多いです。織り目があらく透け感があり、着用期間は普通7月~9月です。但し、博多帯は特に夏の仕立てでなくても夏にも使えるし、1年中着用できますよ。夏の帯の種類には、絽(ろ)、紗(しゃ)、羅(ら)、麻、博多帯等があります。織りや素材で色々な種類があります。

(1)絽、紗、羅
は横糸を数本おきに隙間(すきま)を作りながら織り上げるため、縞模様ができます。縦糸で隙間を作る場合もあります。下図は、渡邊が夏にたまに使用するワンポイントの帯です。

(1)絽、紗、羅の続き

右上の写真は、白の帯の色違いで黒のワンポイント帯です。これは上記の白地の帯より合わせやすく、特に白や薄色の着物によく合うので出番が多いです。その下の薄い桃色がかったベージュ色の帯は、なかなか合う着物がなくいまだに出番がありません。









 



*紗の帯については、なかなか一言で説明が難しいので、ネットで調べてみたら「帯の仕立て屋(株)みつやま」さんのサイトで写真と簡単な説明が出ていましたのでご紹介します。合わせてこちらのサイトでの「絽」と「羅」の説明も載せておきますね。

以下このサイトの文のまま。
「正確な定義は、織り方を基準にあてるべきですが、ここでは、日常会話で有用な一般的な認識を説明したいと思います。」

下から2番目の帯の写真は、「絽」です。絽とは、「網目じゃない部分と網目部分が同居。」とあります。

一番下の写真は、「紗」です。紗とは、「網目が細かい。」とあります。



ア 絽 網目じゃない部分と網目部分が同居
イ 紗 網目が細かい

絽、紗、羅続き

右上の写真は「羅」です。羅は、織りの中で最も透け感がある織り方。みつやまさんのサイトでは、羅とは、「網目が大きい、すけすけ」とあります。」

(2)麻の帯
涼しく結びやすいが皺になりやすい。渡邊は麻の半幅帯を浴衣を着た時に使うことがあるのですが、半幅帯の記事の時に紹介します。

(3)博多帯
博多帯(右下の写真)は、夏の仕立てでなくても夏に使えます。博多帯は1年中着用できるのでとても重宝します。特にこの色は白系でほとんどの着物に合いますし博多帯は摩擦が大きく、締めやすくほどけにくいのでお勧めです。渡邊のお気に入りの帯で、出番が最も多いものの一つです。もう一つ出番の多い帯は、コラム3でお見せした白系の露芝の帯です。これも本当に色々な着物に合いますが真夏には使用しません。

コラム4 帯特集

1.帯の柄付け
(1)全通[ぜんつう]・・・総柄・通し柄とも言われ、帯全体に柄がある。
  *写真の右側の帯参照(博多織りの名古屋帯。この帯は、新宿の京王百貨店呉服売り場・ますいわやさんの店頭に飾られていたもの。一目でその色合いの美しさに魅せられた。白系の帯なので色々な着物に合わせやすい。)

(2)六通[ろくつう]・・・全体の約6割に柄があるという意味。帯の下に巻く部分(外から見えない部分の柄を省いているので全通のものより安価で合 理的である。*写真の左側の帯参照(振袖の着付けに使用したもので全体の6割を柄が占めている。よく見ると柄の付いていない部分がある。長さを測定したら410cmだった。

帯の柄付け 続き

(3)お太鼓柄[おたいこがら]・・・ポイント柄とも言われ背中側(太鼓)と前の部分の一部に柄がある。帯結びは、全通や六通が柄合わせの必要がなく簡単なのに対しお太鼓柄の帯は、特に前の柄の出し方が難しいので、やや難易度が上がる。初心者の方は、初めの帯結びレッスンは全通や六通の帯から始めると良いでしょう。*下の童子柄の名古屋帯の写真参照

2.帯の種類


(1)袋帯
礼装用からおしゃれ用まで、幅広く使われる。普通二重太鼓に結ぶ。振袖用に使われる時は、多くの変化結びに対応できる。
帯幅は約30cm、長さは、420±30 cm  にほとんどの袋帯は収まる。
名前の由来は、帯が表面と裏面が縫われていて袋状(筒状)となっている(
但し、短辺も縫いとじられている。)ことからきている。
礼装用とおしゃれ用がある。

①礼装用 
下図写真参照。右(六通柄)は、友人が叔母様の形見分けでもらい受けたもの。着物を着ることはない、とのことで渡邊が譲って頂いた。渡邊は水色の江戸小紋にこの帯を締めて知り合いの結婚式に参列。洋服だと年を重ねてくると体形が変わって着られなくなり新調せねばならないことがあるが、着物だとある程度太ってもやせても着られるので経済的である。

左の写真の帯は、礼装用にと思い購入。通っていた着付け教室の認定式に色無地の着物にこの帯で末広二重太鼓に結び出席した。

*認定式には「色無地以上で出席のこと」と言われました。

色無地を新しく誂えるには、まず白生地を選びます。地紋のないものにするのか、あるものの場合はどんな地紋にするか、次にどんな色に染めるのか、数多くの色から一色を選びます。当然、縫い賃を含めそれ相当のお値段になります。

渡邊はこの前に新宿西口にある大型のO百貨店の呉服売り場で買った色無地を思い出しました。着物の知識のない時に買った既製品の色無地です。その売り場にあった美しいラベンダー色の色無地が気に入りよく考えずに購入してしまいました。

たしか、売り場には「東レシルック」の看板がありましたが、すべてがそうではなかったのかもしれません。それまでに買った東レの製品と思って買った比較的安価なポリ製の既製品の着物は縫製もよく、体なじみも良く、よく着ていました。

このラベンダー色の色無地(M寸)は、家で着てみると横幅もブカブカでとても太って見えます。また、縫製もとても雑でしたので、今までに購入した
既製品より値段も高かったのにと、とてもがっかりしました。多分、東レシルックの品物では、なかったのか、あるいは生地だけシルックで海外縫製のものだったのではないかととても残念な気持ちになりました。

結局新しく色無地を反物から購入して仕立てる余裕はなかったので、不本意ながらこのブカブカの色無地をなんとか着付けて認定式に出席した訳です。

(ここで東レシルックの夏着物用の反物を購入し自分サイズに仕立ててもらったことがありますが、この場合はとても体にフィットし美しく仕上がりました。)
 

袋帯 礼装用 続き

右の上の写真、銀色の帯は、2020年12月の京王百貨店・着物
今昔市で破格の値段で買えたもの。以前このhpのnews蘭に取り上げたことがあります。(仙臺屋さんというお店です。良心的な品物を破格の値段で買えることが多いです。)

この帯は、ののはな庵では礼装用の帯結び(二重太鼓)の練習用に使用しています。袋帯をお持ちでない方にはお貸し致します。



右下の写真は、妹が成人式の時に振袖用に使用したもの。振袖用の帯は袋帯です。

袋帯 続き

② おしゃれ用
着物について何も知らない時に、人に誘われ展示販売会に行った際に十日町紬と共に購入したもの。長さを測定したら4m57cmもあった。
春と秋の2文字が入っている特殊な帯で、全通でありながらお太鼓にこの文字を上手に出すのがとても難しい。何も知らずに買うのはあまりにも無謀だと実感したが、十日町紬のほうは、今では、お気に入りになっていてよく着ます。

また、レンガ色の布は、帯枕を包んだ帯揚げで3色のもので「1枚で3色だせるので.

お得ですよ。」と勧められ購入したもの。レンガ色・ベージュ色・白の3色に染められている。このような帯揚げは、特に初心者の方にとって一色を出すのが難しくお勧めしません。よく使うレンガ色とベージュ色のものを一枚ずつ買った方が結び易くストレスがたまりません。






袋帯 おしゃれ用 続き

ネットや雑誌で皆さまの参考になるようなおしゃれ用袋帯を見つけましたので紹介いたします。

画像1 は、長崎県大村市のリサイクルショップ 「古々屋」さんのブログに載っていたものです。紬の着物に合わせています。この組み合わせは、お若い方に似合いそうですね。

画像2は、フリーの帯特集からのもの、ここまでこのサイトで帯の勉強をなさっていた方は、この写真の横の説明の文字の意味が分かるようになってきたことと思います。

画像3と4 は、
婦人画報の雑誌「美しいキモノ」2011年冬号からのもの。
ダークブラウンの色無地に合わせたもの。
以下3、4の説明は原文のまま。


3の説明. 重厚感のある袋帯で レセプションなど晴れの席へ
金の横段にオリエンタル調の模様を手織りした袋帯を合わせて。重厚感のある帯が、装いの格を引き上げます。

4の説明.しゃれ感のある袋帯で 昼間の軽いパーティに
センスを競うおしゃれ仲間とのお集まりには、しゃれ感のある軽めの袋帯がお薦めです。櫛織の袋帯はペルシャの模様が鮮やかなネイビーで織り表されています。小物も同系色で揃えて爽やかに。モダンな雰囲気の取り合わせ。
 





 


画像1
画像2
画像3
画像4

(2)名古屋帯・・・袋帯と名古屋帯の違いは、「長さ」

2)名古屋帯
幅 約30cm、長さ360±15cm に大体収まる。
普通,一重太鼓に結ぶ。おしゃれ着に結ぶことが多いが、準礼装として使えるものもある。

太鼓の部分は普通幅で残りの部分は半分に折って縫って仕立ててあったり、あるいは半分に折りやすいように端の方が半分に縫ってある。ただし、縫っていなくて袋帯と同じ形状のものもある。

名古屋帯には、八寸名古屋帯と九寸名古屋帯がある。 

①八寸名古屋帯
帯幅30cm(八寸)

紬や小紋などのおしゃれ着には欠かせない。また、色無地や江戸小紋をおしゃれ着として着る時にも使う。
帯芯を入れずに仕立てる。30cm幅の生地の端をかがってある。しっかりした帯地のものが多く結びやすい。(博多帯が有名。西陣織のものもある。)


名古屋帯 続き

②九寸名古屋帯 
・縫う前の帯の幅が九寸(約34cm)で、中に芯を入れて両脇を約2cmずつ縫いしろにして仕上げ出来上がると帯幅が八寸(約30cm)となる。
   *一寸=約3.8cm

・八寸の帯に比べ柔らかな感じで結びにくいものも多いが、しっかりしていて結びやすいものも結構ある。

・八寸のものよりも、普通格が上であるがそうでないこともある。

・金、銀で織られた豪華な感じは準礼装、色糸だけで織られた帯はおしゃれ着に使われる。

・古典的な柄が礼装用に、モダンな柄がおしゃれ用に使われることが多い。

・九寸名古屋帯の種類には織物の他に刺繍、絞り縮緬(ちりめん)や塩瀬などの染帯、また着物の生地から作るものもある。




コラム(3~)

コラム3 着物と帯の取り合わせ
東レシルックの南天柄の着物は、既製品なので渡邊にとっては、身丈も身幅も大きすぎて着付けるのは難しいのですが、身長を渡邊と同寸にした着付け用ボディにどうにか綺麗に着付けることが出来ました。これに合繊の市松模様の帯を合わせてみました。この帯は単体では色柄ともとても地味なのですが、にぎやかな南天柄に合うはずと着付けてみるととても落ち着いた雰囲気になりました。
次に、同じ南天柄の着物に露芝という模様の白地の帯を組み合わせてみました。
市松模様の帯の時と、雰囲気が随分と違いますね。市松模様と露芝はどちらも季節を問
わないので大変重宝します。

3.

コラム8 七五三

コラム 7